JCSS校正はISO規格のトレーサビリティーを重視する品質管理です

いつでも原点にさかのぼってその品質を確認できる

JCSSという新しい品質管理のシステムが日本で確立されてからまだそれほど時間が経過していません。一体それはどのような管理のシステムなのでしょうか。スイスのジュネーブにISO国際標準化機構というのがあります。一昔前まではクオリティコントロールといえば地球の裏側のアメリカで開発されたTQCトータルクオリティコントロールが主体でした。今ではそれがISOのクオリティコントロールシステムに置き換えられてしまったということです。ISOで一番重視するのがトレーサビリティーです。トレーサビリティーというのは何事につけてもその原点にさかのぼってその品質を確認できるようなシステムを確立しておかなければならないということです。あまりにも抽象的なのでもっと分かりやすい具体例で示しましょう。

テストピースの強度試験でクオリティを確認できる

例えば建設工事を例にとります。建設工事では土木建築にかかわらずコンクリートを打設するという機会が大変多いです。例えば建築工事では大きな建物を建設しますが、それはだいたい鉄筋コンクリート造りとなっています。コンクリートを打設する際には各階層に応じてブロック割りされた区分でコンクリートを打設します。具体的には床とか壁のコンクリートを打設するということです。それらの各部分についてコンクリートの強度を保証するためにテストピースを採取します。そしてその品質はコンクリートを打設した日に遡って、テストピースの強度試験で確認できるという画期的なシステムです。これでどの部分のコンクリートについても強度のトレーサビリティーが保証されたということになります。

国家登録業者により厳格なチェックがなされます

製造工程で使用される様々な計測器についてはいつでも国家が保有する標準器によってJCSS校正されなければなりません。これがなかなかやっかいな作業なのです。国家により認証された登録業者によりこの厳格なチェックはなされます。どんなものがあるのでしょうか。私たちに一番身近なのは重量を測る計測器ではないでしょうか。それがもしも生産工程で使われるのであれば、それはJCSS標章の入った計測器でなければなりません。また生産工程で使われる温度計なども厳密に管理されなければなりません。こちらも国家が保有する標準器に対してトレーサブルでないとなりません。言葉で表現するのは簡単ですが、そのチェックをするのには相当な専門技術を要します。誰でも彼でもそれができるというわけではないのです。これがJCSS校正の難しさとなっています。要するにいつでも国家が所有する標準器に対して校正ができるようなシステムでなければなりません。